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【第16回研究会】乳幼児保育の先の、学童保育を考える~企業ができる放課後支援とは~

2016.11.28

こんにちは、

WisHの前島です。

 

2016年9月7日に、藤巻奈津子氏をゲスト講師に迎えて

 

乳幼児保育の先の、学童保育を考える

~企業ができる放課後支援とは~

をテーマに第16回研究会を開催いたしました。

 

ご参加の皆様、どうもありがとうございました。

当日の内容をこちらでもご紹介いたします。

 

***

1. 講師自己紹介

藤巻講師は、大学~大学院と通じ一貫してジェンダーと雇用政策をテーマに学んできています。

就職後は、一部上場メーカーや人事コンサルティング会社において様々な経験を積み、在職中から品川区で

ワーキングペアレンツ向けのワークショップやセミナーを開催してきました。

ご自身も5歳の息子さんがいる、ワーキングマザーでありつつ、昨年、満を持して独立。

ワーキングマザーへの支援を、ボランティアではなくビジネスにしたいという想いで、英語が学べる学童保育である、

グローバル親子クラブ(GOC)を設立しました。





2. 学童を取り巻く現状

藤巻講師から、国や自治体に関する調査結果などの提示があり、

希望者と定員の受給バランスにばらつきがあり、市区町村によっては子どもたちの放課後を安全に確保できていないケースもあることが示されました。

例えば、東京都がまとめた「学童クラブ実施状況(平成27年5月1日現在)」によると、品川区は小6まで全員入室でき、待機児童はゼロなのに対し、

大田区では82クラブありますが、約150の待機児童がいる現状です。

同じ東京都23区なのにこれだけの違いがあります。

 

児童福祉法が改正され、2014年に放課後児童クラブの対象が小6へ拡大しました(それ以前は小3まででした)。

また、施設の基準などのガイドラインができましたが、各市区町村が保護者の就労有無に関係なく放課後児童クラブを運営しないと

罰則があるというわけではないし、あくまでガイドラインであって、自治体によっては小3までが対象のクラブもまだあると思います。

こういった事情が、「小1の壁」「小4の壁」として、「末子の年齢各歳別母親の有業率の推移」という調査結果に現れてくるわけです

(末子が小1、小4の年齢時に有業率が落ち込む)。

「小学校に入ると育児はひと段落」と思われがちですが、それが誤解であることは明らかです。

 



3.GOCについて

小学校1年生の下校時間は14~15時です。保育園で18~19時近くまで預かってもらっていたことを考えると、このギャップは大変大きいものです。

自身もワーキングマザーである藤巻講師が、あったらいいなと思うサービスを提供したいという想いから、GOCがスタートしました。

そもそも市町村主導の学童クラブの目的が「安全な居場所を確保する」であるのに対し、

GOCの目的は、「放課後を有意義に過ごすための”第二の学校”」です。

GOCで過ごすことで、自己表現力・英語・プレゼン力などのグローバル社会で活躍する基礎などを身に着けてもらう。

それを通じて忙しいワーキングマザーの支援をすることが、ミッションのひとつなのです。

 



4. 女性が活躍するための要素

藤巻講師からは、女性が活躍するための要素として、3点が挙げられました。

 

①企業(人事制度や福利厚生、社風の醸成、モチベーションの土壌づくり)

②家族(理解→応援→サポートという好循環)、

③地域社会(従来から母親が担ってきた事の分担、ネットワーキングと情報交換)

 

女性が育児の悩みをひとりで抱え込んでしまわないために、GOCでは母親のネットワークづくり、パパママ向けのセミナー、

ランチ会、就職相談、キャリアカウンセリングも実施しているそうです。

女性がキャリアを中断せずに活躍し続けるために、企業のサポートはもちろん、

地域のサポートも非常に重要であることを、ワークショップから実感し、自ら地域の役割を担っているわけなのです。

 



5. 事前アンケート結果について

今回、ご参加の方に事前アンケートを実施させていただきました。

以下はその結果の概要です。

 

【法定以上の制度について】

・フレックス勤務(小3までが多い)

・短時間勤務

・所定外労働の免除

 

【自社独自の女性活躍支援の施策について】

・あり:約7割

→ダイバーシティ推進活動 (※注力の度合いは企業によって異なる)

→経営層から全体的にメッセージを発信 (※ただし少数)

 

【社員の子どもや家族に対してのイベント実施について】

・あり:約4割

 



6. ディスカッション

ここまでの情報提供をもとに、グループに分かれて、「放課後の充実のために、企業が貢献できる可能性は?」をテーマに

ディスカッションをしていただきました。


企業が放課後支援をすることで、

 

・社員のパフォーマンスの向上

・企業イメージの向上

・女性活躍や社会貢献に対する活動としてのPR

 

などがメリットとして考えられるからです。

 

各グループからの案としては、

 

 社内学童施設の設置

 自社商品の学童への寄付

 人事制度や働き方の見直し

 働きやすい・帰りやすい社風づくり

 民間学童に通う際の補助金支給制度

 経営層からのメッセージの発信

 

などが挙げられました。

非常に興味深く、実現されたらいいのに…と思う内容ばかりです。

 

 

藤巻講師からはまとめとして、

「子どもの放課後の在り方としては、選択肢が多いほうがよい。

 (学童に行ったり、子ども同士で遊んだり、習い事に行ったりなど)

「企業内の働きやすさ、仕事の充実度合いが大事」

「と言っても『22時まで預かります』といったサービスはしたくない。

 それよりも、仕事の進め方や働き方を見直して、限られた労働時間の中でどう成果を出していくかを考えることが先決」

「企業や家族、地域がそれぞれの立場でできることをうまく役割分担し、続けていくことで、いい日本になると信じて活動していきます」

という言葉がありました。

 

私自身も子どもふたりを学童クラブに通わせる身として、大いに考えさせられ、また勇気づけられる言葉でした。

 

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